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会津の魅力 茶でアピール【4月4週号 福島県】

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 【福島支局】会津若松市の株式会社One's home(ワンズホーム=従業員9人)では、会津の特産品を使用した茶を製造・販売。同社を経営する西本真理子〈にしもと・まりこ〉さん(37)は、商品を通して会津の魅力を広めつつ、「三方よし」が築けるよう日々奮闘している。市内でカフェを営んでいた西本さんは、新型コロナウイルス感染症の拡大を機に、茶の商品開発に乗り出した。「自分だけがもうかれば良いということではない。三方よしを信念に、商品を通して、会津と農家さん、お客さま、みんなが幸せになるようにしていきたい」と話す。以前からの構想「会津の特産品を広めたい」の実現に向け、2020年5月に茶の製造を始め、4カ月後には販売を開始した。会津の特産「おたねにんじん」や「身不知〈みしらず〉柿」の葉、規格外のリンゴを仕入れ、「会津おたね人参ハーブティー」「会津柿の葉と黒豆のハトムギ茶」「会津りんごと国産レモンのハーブティー」を、インターネットや道の駅などで販売する。リンゴの仕入れ先の白井農園代表・白井康大〈しらい・やすひろ〉さん(39)は「会津のためにと奮闘し、栽培したリンゴを無駄なく、おいしく加工していただき感謝している。お互いこれからも良いものを作っていきましょう」とエールを送る。「6次化商品は、完成してゴールではなく、本当のスタートだと思っています。商品を世に出して気付くことも多いです」と西本さん。得意客や従業員の意見を聞き、現在も商品改良を重ねている。地球環境にも関心を持つようになった。「環境に配慮することを子どもに教えるためには、まずは自分から」と、環境と体に気を配った商品を意識している。ティーバッグは石油由来のプラスチックではなく、トウモロコシ繊維のものを使用。パッケージは再生可能紙にした。柿の葉や規格外のリンゴを使い食品ロスに取り組み、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の実現に励む。西本さんは、東日本大震災に伴う原発事故の影響で大熊町から会津若松市に移り住んだ。将来は、大熊町の活性化にも尽力したいという。

〈写真:「会津土産として購入してくれる方が増え、とてもうれしい」と西本さん〉