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売り上げ伸ばす白ネギ周年栽培【3月4週号 鹿児島県】

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 【鹿児島支局】志布志市有明町で白ネギを栽培する茂崎幸一郎〈しげさき・こういちろう〉さん(46)は、青果販売業の経験を生かし、単一品目の通年出荷や、パッケージデザインの見直しなどに取り組み、売り上げを伸ばしている。「作るだけではなく、売るためのアピールをしていきたい」と工夫を凝らす。茂崎さんが代表を務めるしげさき農園では「やさしい味のする野菜」をモットーに、1.6ヘクタールで白ネギの周年栽培に取り組む。土壌分析の活用や有機肥料の使用など肥培管理を徹底するほか、農薬はできるだけ使わない。「とろ甘白ねぎ」と名付けた商品は、主に契約する飲食店へ出荷。地域のスーパーやインターネットでも販売する。青果販売の仕事に携わっていたことがあり、「供給量の少なくなる時期にこそ安定した出荷体制を構築したい」と考えていた。以前はサツマイモやカボチャなども栽培していたが、取引先の「白ネギを通年で出荷できないか」という要望もあり、単一品目での周年栽培に力を入れることにしたという。「年間の売り上げを見通すことができ、栽培計画が立てやすくなった。確実な出荷が信頼関係につながる」と話す。商品の魅力を視覚的に訴えるため、昨年10月にはパッケージデザインを一新した。「ネーミングで商品の魅力を印象付け、消費者がつい手に取りたくなるように意識した」。パッケージからSNS(交流サイト)へ誘導し、消費者と交流を図ることでオンラインショップへの集客につなげた。「パッケージを見て、リピート買いしてくれる方もいる。『茂崎さんの白ネギなら子どもが食べられた』と言ってもらえたときは、うれしくて励みになった」と笑顔を見せる。今後については「コロナ禍で先行きは不透明だが、取引先や消費者の立場を常に意識して、品質の向上に励み、より多くの人に白ネギを届けていきたい」と話す。

〈写真:「丁寧な仕事を心掛け、高品質な白ネギを多くの人に届けたい」と茂崎さん〉