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収入保険・私の選択  新しいことに挑戦しやすい【3月3週号 石川県】

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石川県金沢市  前川 欣裕〈まえかわ・よしひろ〉さん
 兼業で水稲栽培を続け、20年になります。特徴のある米作りをしたいと思い、さまざまな農法を研究してきました。良いと思ったことは積極的に挑戦して、肥料の種類や施肥のタイミングなど、5パターン以上は毎年試しています。2016年に「ピロール農法」を知り、1ヘクタールの「コシヒカリ」で実践中です。ピロール農法とは、光合成をすることで土の中に酸素を排出するラン藻という微生物を増やす資材を使う農法です。慣行栽培との大きな違いは、土の中で酸素を放出することです。従来は、微生物が土の中で酸素を使って有機物を分解し活動するため、土壌の酸素が欠乏しやすくなり、根腐れなどが起きやすくなります。ピロール農法は、ラン藻が二酸化炭素を吸収して、酸素を土の中に生み出すことで、微生物の活動が活発化し、ビタミンなどの有用な物質を供給します。通常の米は弱酸性ですが、ピロール農法で育てた米は弱アルカリ性。ビタミン、ミネラルが豊富で体への吸収が良いのが特徴です。販売は主にインターネットです。甘味が多い、体調が改善したという声があり手応えを感じています。大雨で水がつきやすい圃場があり、万が一に備えて収入保険に加入中です。個人の収入を補償の基準にするので、私の経営に合っていて、新しいことに挑戦しやすいことも魅力ですね。今後は、米の食味を今まで以上に向上させる研究をしていきたいです。▽60歳▽水稲7ヘクタール (石川支局)

〈写真:ピロール農法で育てたコシヒカリを手に「抗酸化力が強く、造血ビタミンB12を含有しています」と前川さん〉