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収入保険・私の選択  自然災害、減収リスクに備え【2月2週号 秋田県】

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 【秋田支局】水稲6ヘクタール、ソバ1ヘクタール、露地1ヘクタールとハウス4棟でキクを作付け、冬期間はハウス2棟でチンゲンサイを栽培する横手市十文字町植田の柴田敏一さん(73)。2021年の農業収入は減少が見込まれたことから、収入保険のつなぎ融資制度を利用した。「申請してから2週間ほどで資金を受け取った。迅速かつ無利子で大変助かった」。20年はいもち病による水稲の大幅な収量減や、キクの価格低下で収入が減少した。昨年度から経営リスクを軽減するため、保険加入の重要性を実感し、収入保険に加入している。昨年1月、チンゲンサイを栽培するハウスが大雪で倒壊し、一部しか収穫できなかった。6月中旬に発生した降ひょうでは、ソバや露地ギクが葉や花芽に大きな被害を受けて収量が減少した。「露地ギクの収入減少が一番大きかった。盆用出荷のキクがほぼ収穫皆無。全体の収益は、最近の平均収入から4割ほど少なくなる見込みで途方に暮れた」。8月末にNOSAIへ出向き、見込み農業収入額を提出して、つなぎ融資を申請した。融資を受け取り、キクの資材費の支払いや農機具のローン返済などに間に合ったという。融資受け取り後に発表された米の概算金は、柴田さんを含めた周辺農家の予想を超えた下落だった。「再生産に必要といわれている1万2千円を割るとは思わなかった。融資を申請して良かった」。柴田さんは「ハウス、ソバの被害では、NOSAI職員に連絡すればその都度、確認してくれた。評価員の確認や収穫日程の調整などの負担が無かった。加入の決め手は、自然災害や病虫害に加え、今回のような米価の下落による減収リスクにも備えるためだった。一度は説明を聞いて検討してみるべき」と勧める。

〈写真:チンゲンサイを収穫する柴田さん〉