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収入保険・私の選択 少しでも長く農業を続けたい【1月4週号 徳島県】

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 母と2人で、イチゴ「さちのか」と水稲を栽培しています。生産のメインのイチゴ栽培は父の代に始めました。始めた当初は出荷先の確保や選定にとても苦労したようでした。私がイチゴ栽培を始めて16年目になりますが、父世代の方々のおかげで、今は全量をJAアグリあなんに出荷することができています。収入保険には、制度開始の年から加入しています。鷲敷苺部会の仲間と相談したところ、「今まではJAや市場のおかげで単価は安定していた。しかし、今後はどのような状況になるか分からない」という意見が多かったので加入を決めました。1年のうちでも単価の波があります。出荷が高単価のときに当たればいいですが、低単価のときに出荷が増え、その年の販売金額が下がる心配があります。私自身はそれに加え、栽培管理がうまくいかなかった場合に、収量が減り販売金額が下がることを懸念して加入を決意しました。単価の下落だけではなく、収量減少にも対応できる総合的な補償に魅力を感じています。定植直後に苗の生育不良が原因で収量減となり、販売金額が減少した年がありました。保険金を請求してすぐ受けられたので、重油などの経費支払いの助けになりました。5年前、川の堤防工事でハウスの移設を余儀なくされたときは、もう辞めようかと考えました。しかし、現在の場所へ再建し、栽培を続ける決意をしたときの母の喜んだ顔を見ると、少しは親孝行ができたかなとうれしく思っています。異常気象といわれて久しいですが、10月の高温や今までにない長雨に対応するのは容易ではありません。異常気象に対応するのは難しくても、今の規模を維持し、少しでも長く母と農業を続けられたらいいなと思っています。
 ▽62歳▽ハウスイチゴ6アール、水稲35アール
 (徳島支局)

〈写真:木箱を手に収穫作業に励む岩代さん〉