ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

収益安定へスナップエンドウ リスク回避に実エンドウ【1月3週号 鹿児島県】

220119_3.jpg

 【鹿児島支局】南種子町中之上で高収益作物のスナップエンドウを栽培する山田豊さん(35)は、さらなる経営安定の柱として実エンドウに着目。収益向上に期待を寄せる。農業の経験がなかった山田さんは、県指導農業士の浦口啓一郎さん(61)の下で2016年から2年間ほど修業し、18年に就農。研修先で栽培したスナップエンドウに魅力を感じ、挑戦を始めた。「土地を探すところからのスタートだったので、単価が安定して、小規模でも収益が見込めるスナップエンドウに引かれた。露地栽培で初期投資が抑えられる点も決め手になった」。実際に栽培する中で、収益性は高いが、デリケートな作物で、ちょっとした衝撃で傷ができることに気づいた。離島の南種子町は、海風による強風や霰、霜の影響を受けることが少なくない。「霰や強風、霜などが原因で傷ができる。傷ものは商品価値がなくなるため廃棄になる。先読みして対応することが重要」。このため、霰を防ぐネットを張ったり、風よけになる作物を植えたりしている。21年には実エンドウの試験栽培を始めた。「実エンドウは、豆が無事であれば商品価値は下がらない。まだ検証段階だが、地域の気象条件に合う可能性を感じている。経営のリスク回避の一助になれば」

〈写真:「農業は自分で一から形にしていく難しさに魅力がある」と山田さん〉