愛知県の「空き牛舎有効活用推進協議会」(事務局=愛知県酪農農業協同組合)は、畜産への新たな新規就農システムとして、夫妻単位で独立就農と雇用就農を組み合わせる「兼業農家制」を考案した。第1号として、愛知県半田市の俵絵美子さん(32)が50頭規模の肉用牛肥育の経営主となり、夫の良介さん(37)は親牧場となる乳肉複合経営の大規模法人で正社員として働く。法人側は人材確保に、独立側は世帯収入の安定や技術習得などに利点がある。産地に中小規模の経営体を増やすことで、牧場同士で作業協力する体制を構築し、人手不足解消など酪農産地の振興につなげるのも狙いだ。
(5面・新年号企画)
〈写真上:わが子と共に牛を観察する愛知県半田市の俵絵美子さん。「自分で経営してみると初めて経験することばかり」と話す〉
〈写真下:「入社当初から牧場を持ちたいという気持ちがあった」と夫の良介さん。法人で働きながら絵美子さんを手伝う〉