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"少力化"追求 スコップを30センチ長く、くわの先端を鋭利に【12月2週号 香川県】

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 【香川支局】農作業を効率化しようと、耕具に改良を加える高松市東山崎町の雪野利数さん(70)。「少し工夫するだけで、体にかかる負担は大きく減りました」と話す。40代で農業を継いだ雪野さんは、面積を拡大する中、効率よく短時間で作業をするため機械化を進めてきた。しかし、野菜の排水管理の仕上げなど、どうしても手作業が必要になる場面があり、しかも重労働だった。少ない力で少しでも多く掘れるようにと、スコップの柄を木から鉄に替え、自分の身長に合わせて30センチほど長くした。くわは、地面の状態に影響されずに掘りやすくなるよう、先端を3センチほど切ってとがらせた。当初は、くわの柄を曲げすぎて力が入らなくなるなど、やり直すこともしばしば。加工を繰り返す中、自分の体にあった耕具が素早く作れるようになっていったという。現在は麦12ヘクタール、ブロッコリー50アールを作付ける中で、耕具をどのように改良するか考えるのが楽しみの一つだという。「既成品を使いやすい耕具に改良することにやりがいを感じるようになりました」と雪野さん。「経営は収入保険で備え、作業現場は大型の農機具や自作の耕具を活用し、後継者に託せる体制を整えていきたいです」と話す。

〈写真:先端をとがらせたくわを手に「硬い場所が掘りやすくなりました」と雪野さん〉