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交流で農業の魅力発信 業種を超え広がる取り組み【10月3週号 鹿児島県】

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 【鹿児島支局】「人とのつながりを生かして、農業の魅力を伝えたい」と笑顔で話すのは、鹿児島市吉野町の迫智子さん(42)。夫の孝志さん(50)とマルタカ菜園を経営し、野菜栽培(パセリ、ラディッシュなど38アール)に取り組む。女性農業者や関連事業者と交流の輪を広げながら、マルシェの開催やインターンシップの実施など、農業の魅力を多面的に発信している。結婚を機に就農した智子さん。「夫が栽培に専念できるように」と農業経営を学び始めた。東京で開かれた女性農業次世代リーダー育成塾や、市の農商工等連携人材育成塾などに参加。「小規模経営でも稼げる農業を」と経験を積んだ。研修会で新たな人脈が生まれ、同園の加工品「かごしまパセリのディップ」の商品化につながった。加工業者や飲食関係者の的確なアドバイスに助けられたという。「商品の魅力を十分に引き出し伝えるには、自分たちの力だけでは限界がある。その道のプロのアイデアで納得のいく商品が完成したときに、人と関わりながら仕事をする楽しさを知った」。こうした経験から、「県内で関連事業者と交流を持てる場をつくりたい」と、2016年に女性農家仲間と「ポタジェファム(坂之上和美代表)」を立ち上げた。メンバーは農業者や加工、観光、福祉などに従事する女性30人。加工品の共同開発や農業マルシェの開催、レストランやホテルとの連携による農場ツアーなど、業種を超えて農業の魅力を発信する。「交流の輪が広がり、鹿児島の農業が盛り上がってほしい」と智子さん。9月に同団体のインターンシップで実習生を受け入れた。「活動を通して、土地と食を育む農業の魅力を伝え、次の世代へ受け継いでいきたい」と意欲を見せる。

〈写真:「農業を通じて交流の輪が広がるのが何よりも楽しい」と智子さん〉