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キャベツ安定生産 土壌管理が決め手【10月1週号 岩手県】

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 【岩手支局】一戸町奥中山でキャベツを栽培して5年目になる与羽敬央さん(31)。就農当初に1ヘクタールから始めたキャベツ栽培は4ヘクタールまで作付面積を拡大し、昨年は約138トンをJAへ出荷した。今年の冬場は、単価が高い「ちぢみコマツナ」とホウレンソウの栽培を計画。冬期間に安定した収入を得るため日々奮闘している。与羽さんは2016年に脱サラし就農。「実家で栽培していたレタスと菌床シイタケ以外の作物に挑戦したい」とキャベツの栽培を始めた。父・浩司さんや先輩農家から指導を受けた。「1年目は堆肥を使わずに栽培したが、育ちが悪く、根こぶ病にもなり、土壌管理の大切さを実感した」。17年からは、植物性の酵素堆肥と地元農家から譲り受けた牛ふんなどの有機肥料を使用し、収量増加につなげたという。「堆肥に有機肥料を混ぜたことで、根張りが良くなり、発育不良が減った。圃場によって土壌の状態が違うため、肥料の散布割合を変えている。最適な状態で毎年定植できるような土作りをしたい」。「普段は1人で作業するが、収穫期などの繁忙期にパートタイムで2人雇用する」と、年間を通しての作業効率化を考えている。収入源を増やすために、今冬はちぢみコマツナとホウレンソウの出荷を計画。9月上旬にハウス4棟に播種した。「ちぢみコマツナは、12月中旬から下旬にかけて販売単価が2倍高くなる。これからの季節は夜温が低下するため、ハウス内の温度低下に注意し、11月から出荷したい」。防除作業など丁寧な栽培管理を実践し、品質向上と安定出荷を目標にしている。与羽さんは「農業は自分の努力次第で結果が変わる。向上心を持って取り組みたい」と話す。

〈写真:「手をかけた分が結果につながるので農業は面白い」と与羽さん〉