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看板商品は「かぼっコリー」 安全・安心の少量多品目野菜【10月1週号 山口県】

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 【山口支局】「コリッ」とした歯応えが名前の由来という「かぼっコリー」は、手のひらサイズのカボチャ。皮から種まで丸ごと食べられる珍しい品種として人気を集めている。山口市下小鯖棯畑でかぼっコリーを栽培する里山オーガニック農園の園長・池田侯男さん(72)と松西照美さん(61)。「有機野菜を作りたい」という松西さんの熱意から2020年4月に農園を立ち上げた。80アールのうち14アールでかぼっコリーを栽培する。「父が早くに他界したことや、祖父母の病気、息子のアトピーを経験し、安全・安心な食を大切にしたいと考えるようになったんです。そのときに池田さんと『一緒にやってみよう』と意気投合して」と松西さん。熊本県で農業を営む知り合いにかぼっコリーを勧められ、栽培を始めた。種まきから収穫までは、主に池田さんが作業する。「除草剤を使わないため雑草の管理に手間を要します。畦に枯れ草を敷き詰めるなど工夫しています」と池田さん。松西さんは広報関係を担当する。「販路を確立するため、何か特徴のある野菜がいいなと。まずは珍しいかぼっコリーで販路を広め、ほかの野菜の販売につなげたいと思ったんです」と話す。現在はサツマイモやナスなど約60種類の少量多品目を栽培。主にSNS(会員制交流サイト)で宣伝し、「お野菜セット」として全国に販売する。「作ったものは残さず売り尽くす」をモットーに地域のイベントや直売所に出向くという。松西さんは「食に対する安全の必要性を発信していきたいです」と話す。

〈写真:かぼっコリーを手に池田さん(左)と松西さん。「松西さんはとても勉強熱心。お互い刺激し合いながら頑張りたいです」と池田さん〉