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収入保険・私の選択 コロナ禍、長雨、鳥獣害を乗り越えて【9月4週号 京都府】

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 【京都支局】福知山市の農事組合法人「鬼の里農園(構成員99人)」は、2019年に収入保険に加入した。代表理事を務める新井春男さん(78)は「農業共済と比べて補償の幅広さが決め手だった」と話す。同法人は10年に設立し、新井さんら理事3人と監事2人を中心に経営。「もうかる農業で地域に還元したい」と、約20人のパートを雇う。1筆3ヘクタールという圃場もあり、2年4作(水稲・小麦・小豆・タマネギ)のブロックローテーションを実施する。「収入保険は収穫後の補償があり、すべての品目をカバーできるのが魅力」と総務担当の理事・廣瀬敬治さん(73)は期待を寄せる。営農担当の理事・真下義弘さん(68)は、「昨年から続く新型コロナウイルス感染症でタマネギの出荷がストップしてしまい、在庫を多く抱えている。今年も同じ状況が続いている」と話す。同法人が栽培するタマネギは加工用で、小売り用と比べサイズが大きいため、市場価格が大幅に下がる。さらに、長雨の影響で小麦に湿害が発生し、水稲と小豆は鳥獣害が重なり減収が膨らみ、保険金を受け取った。「本当に助かった。新型コロナウイルス感染症のような突発的な事象に対しても補償があるのは、経営上大きなメリットだ」と新井さん。「預かっている農地は地域の大切な財産。地域に信頼される経営をして、農地を守っていきたい」と将来を見据える。(水稲21.5ヘクタール、小麦10ヘクタール、小豆11.7ヘクタール、タマネギ1.7ヘクタール)

〈写真:生育状況を確認する鬼の里農園のメンバー〉