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和紅茶のスイーツ商品化 鹿本農業高校食品加工部【9月4週号 熊本県】

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 【熊本支局】和紅茶発祥の地とされる山鹿市。同市にある県立鹿本農業高等学校(田畑淳一校長)の食品加工部は、和紅茶を使ったスイーツなどを作り、普及に励んでいる。部長を務める最上加奈子さん(17)は「山鹿産和紅茶の魅力を多くの人に知ってほしい」と意欲的だ。同部では、2020年5月に「山鹿紅茶ガールプロジェクト」として普及活動を開始。特徴を生かしたスイーツにするため、茶葉を粉末にし、さまざまな焼き菓子を試作。山鹿紅茶の色味や風味が生かされ、食感が良かったマドレーヌを作ることに決定した。プロの菓子職人などのアドバイスを受け、試作と試食アンケートを繰り返し、半年かけて完成。パッケージは生徒たちが考案し、同市内のイベントなどで販売した。マドレーヌを食べた女性からは「食べた瞬間、紅茶の香りが広がり、しっとりしていてとても食べやすかった。次の世代に伝えられるように頑張ってほしい」と好評だ。今後は和紅茶カフェや和紅茶文化を伝える紅茶の学校を開催する予定。紅茶くずを活用したせっけん作りにも挑戦中だ。「時間がたつと変色するので、きれいな色を出すのが難しい。山鹿市は温泉が多いので、そこで使ってほしい」と最上さん。年内の完成を目標に試行錯誤を重ねている。マドレーヌは県内企業と協力して商品化する予定だという。最上さんは「活動を知った阿蘇市のパン屋さんと紅茶パンの開発も予定している」と活動の幅を広げている。

〈写真:食品加工部のメンバー。右から2人目が最上さん〉