ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

収入保険・私の選択 コロナ禍で茶の売り上げ減、保険金を経費に【9月2週号 奈良県】

210908_3.jpg

 【奈良支局】「収入保険に加入していて本当に良かった」と話すのは、奈良市で茶3.3ヘクタール、水稲1ヘクタール、イチゴ(ハウス3棟10アール)を栽培する筒井哲彦さん(44)。昨年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で茶の需要が減り、売り上げが減少した。また、単価が例年より1キロ当たり500円も下がったため大きな損害となり、保険金を受け取った。「おかげで肥料代など必要経費の支払いができた」と筒井さん。遅霜の発生には毎年気を付けている。特に5月中旬の遅霜の影響を受けると、茶葉が黒く縮れてしまう。今年は4月10日から2日続けて霜が降りたが、茶芽が出てくるのが遅かったため、影響は少なかったという。以前は茶共済に加入していた筒井さん。「収入保険は補償の範囲が広く、収入が減少すれば補償してもらえる。9割補償にも魅力を感じた」と話すように、迷わず収入保険に切り替えた。筒井さんは収入保険未加入農家に加入の検討を勧める。「新型コロナウイルス感染症のように、予想していなかったことが起こったときも補償してもらえる。収入保険にぜひ加入して、安定した経営を築きましょう」。また、国の災害対策や各種補助事業で農業保険への加入が要件化されていることを注意点として挙げる。今後については「3年前に定植した新しい品種のお茶が良品質になるよう管理していきたい。そして、これからもおいしいお茶をたくさんの人に届けたい」と笑顔で話す。

〈写真:「たくさんの方においしいお茶を飲んでほしい」と寒冷紗をかぶせる筒井さん〉