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受診促す八重のアサガオ【9月2週号 高知県】

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 【高知支局】ハウスミョウガ33アールを栽培しながら、自宅で八重咲きのアサガオ「スプリットペタル」を育てている須崎市浦ノ内の矢野悦子さん(60)。「今年もピンク色の花がきれいに咲きました」と話す。スプリットペタルを育て始めたのは、民泊を通じて2002年から家族ぐるみの付き合いがある秋田県の家庭から種を譲り受けたことがきっかけだった。種を譲ってくれた秋田県の家庭では、娘を乳がんで亡くしている。実母を乳がんで亡くした矢野さんは、スプリットペタルのピンク色を見て、乳がん検診の早期受診を推進するピンクリボン運動が頭に浮かんだという。アサガオは、秋田県の家庭で亡くなった娘の名前から「由布子〈ゆうこ〉」と愛称を付け、JA土佐くろしおを通じて希望者に種を配布することにした。現在は同JAの本所・支所すべてで花を咲かせている。矢野さんは「母親というのは、家の中の太陽。自身のためだけではなく家族のためにも、アサガオが咲く頃に検診のことを思い出し、ぜひ受診してほしいです」と話す。

〈写真:「由布子」と名付けたスプリットペタル〉