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未来に残したい早田ウリ【9月2週号 山形県】

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 【山形支局】鶴岡市早田〈わさだ〉の「早田ウリ保存会」(会員18人、会長・本間新さん=72歳)は、12年ほど前から4㌃で在来作物「早田ウリ」の栽培に取り組む。早田ウリは、大正時代に北海道から持ち込まれたウリと地元のウリが交雑してできた品種。当時は貴重な甘味として重宝されたが、より糖度の高いメロンの人気に押され、栽培者が減少した。「早田ウリは糖度が10度前後と決して高くないが、素朴で懐かしい味」と本間さん。地域の人と協力して種をつなぎ、未来に残したいという思いで栽培を始めた。電気柵の設置や果実を肥大させるための芯止めなど苦労が多いというものの、「会員との共同作業は楽しく、収穫体験などを通してできた人脈が宝物となっている」と笑顔で話す。早田ウリは毎年8月上旬の約10日間しか収穫できず、日持ちも良くない。そのため、本間さんらは通年味わえる「早田ウリジェラート」を考案し、約6年前に販売を始めた。「生で食べる以外にジュースやゼリーにするのもお勧め。多くの方に早田ウリの魅力を感じてほしい」と話す。

〈写真:早田ウリを手に「さっぱりとした甘味で、食べるとほっとする」と本間さん〉