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防風林「パラリンピックにみた"あるものを最大限に生かす"強さ【2021年9月2週号】」

 ▼帰宅するとパラリンピックのテレビ放送を視聴する毎日だ。競技のルールも知らず、出場する選手も初めて知る人ばかり。しかし、画面越しでも、選手の表情や真剣に競い合う姿に迫力や感動を覚える。単純に面白く、もっと早く知りたかったと思う。
 ▼パラリンピックの起源は、医師のルードウィヒ・グットマン博士が提唱し、1948年にロンドン郊外の病院で開かれたアーチェリーの競技会だという。第2次世界大戦で脊髄を損傷した兵士のリハビリが目的だった。
 ▼博士には「失われたものを数えるな、残されたものを最大限に生かせ」との言葉があるそうだ。水泳の解説者が「障がいの内容は一人一人違う。個々が自分に最適な泳ぎ方を工夫している」と話していた。
 ▼新しい農村施策の方向として農林水産省は、地域資源をフル活用する「農山漁村発イノベーション」推進を掲げる。地域資源のフル活用は、パラアスリートの創意工夫に近いものと考えた。多様な集落の個別事情に応じた最適解を探さなければならない。