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防風林「懐かしさも届く故郷からの宅配便【2021年9月1週号】」

 ▼故郷からトウモロコシが届いた。日曜日の夕刻で、あいにく家には自分と子供しかいない。そろそろ晩酌をと考えていた頭を切り替え、20本のトウモロコシの皮をむいてゆでる。家の鍋では1回に3、4本が限度で1時間半ほどかかった。子供に持たせて隣家にもお裾分けし、晩酌のつまみにした。
 ▼トウモロコシやエダマメは鮮度が大切と母親に教えられ、収穫直後の山盛りのトウモロコシの皮むきなどを手伝わされた。大量にゆでて家族そろってたくさん食べた。小中学生の頃は一度に2、3本は食べていた記憶がある。
 ▼収穫後に甘さが減っていくのは、時間の経過に伴いショ糖がでんぷんに変わるためという。甘さを保つには熱を加えるか、冷凍して変化を止める必要がある。「湯を沸かしてから畑に行け」とも言われるそうで、経験上の知恵だろう。
 ▼子供には笑われるが、トウモロコシやエダマメが届くと調理を最優先にし、ほかの用事はストップする。おいしいものを一番おいしく味わうためであり、買って食べるものとは違う懐かしさを味わいたいためでもある。