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組合員140人の休耕田管理 地域盛り上げるソバ栽培【9月4週号 広島県】

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 【広島支局】「休耕田でソバを生産することで土地を有効活用し、地域の活性化につなげたい」と話すのは、株式会社西城そば生産組合(庄原市西城町)の代表・山脇克文さん(70)。同社は140人の組合員が所有する約50ヘクタールの休耕田を管理し、「常陸秋そば」「西城在来」「高嶺ルビー」を栽培。「イベントなどでの出店販売では、1日でそば100食が完売することも多い」と話している。「ソバは天候や気温に左右されやすい」と山脇さん。50ヘクタールという広域の土地を管理し、毎年30トンを安定して確保できるよう努めているという。7月中旬から8月中旬にかけて時期をずらして種をまき、リスクの分散と作業の効率化を図っている。「昨年は発芽前や刈り取り直前に雨風などの被害がなく、50トンを収穫できました」。今年は10月から収穫する計画だ。町内の施設で製粉し、そば打ちに適すよう細かく調製。そば粉やそばの実を産直市などで販売するほか、祭りや道の駅などのイベントではそば打ちを実演し、販売している。「そば打ちを見て興味を持ってくれる人がいればうれしい」。現在は新型コロナの影響で見合わせているが、それまでは西城駅の一角でも定期的に出店した。西城町観光協会の職員は「そば本来の味が出て、お客さんの評判が良い。出店したときはとてもにぎやかですよ。これからも地元を盛り上げてほしいです」と話す。

〈写真:「そば打ちの後継者が育つように自分の技術を教えていきたい」と山脇さん〉