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収入保険・私の選択 決め手は現状に見合った補償内容【8月4週号 山梨県】

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 【山梨支局】「収入保険は1割の被害から支払対象になり、さまざまなリスクに備えられることに魅力を感じました」と話すのは、南アルプス市の小松寿裕さん(56)。昨年は長雨でスモモの裂果や落果で収量が減少したほか、等級が下がって25%の収入減となり、保険金を受け取った。勤めていた会社を30代後半で退職し、実家の果樹栽培を受け継いで就農。当時はブドウやモモ、オウトウを栽培していたが、スモモの高級品種「貴陽」に可能性を感じ、スモモの面積を徐々に拡大してきた。現在は弟の宏さん(54)と一緒に貴陽、「皇寿」を主にスモモ76アールを栽培し、JAに出荷している。以前は果樹共済に加入していたが、シミュレーションの結果を見て、2019年に収入保険に移行した。価格の高いブランド品種が被害に遭った場合、収入保険が現状に見合った補償になると考えた。「職員が書類を取りに来てくれて、手続きは簡単でした」と話す。昨年11月に交通事故に遭い、骨盤を骨折して3カ月間の入院をしたという寿裕さん。スモモ栽培にとって重要な剪定はすべて宏さんが作業した。宏さんは「剪定をしたことがなかったので、電話で聞きながらなんとかこなしました。もう事故は勘弁してほしい」と振り返る。寿裕さんは「今回の事故でも収入保険に加入しておいて良かったと、しみじみ思いました。けがや病気で作業ができなくても補償の対象となるのは、とてもありがたい保険ですね」と実感している。

〈写真:皇寿は貴陽の枝変わり品種で、寿裕さんが発見者。2012年に品種登録した。収穫時期が貴陽より1カ月ほど遅いのが特徴だ〉