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防風林「防災は身近な地域のリスク確認から【2021年8月3週号】」

 ▼またしてもの大雨だ。近年は、数十年に一度レベルとされる降雨が毎年のように大きな被害をもたらす。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第1作業部会が先に公表した報告書は、地球温暖化が人間の影響であることは「疑う余地がない」と断じた。さらに熱波や強い降水、干ばつなど「気候システムの多くの変化が拡大する」と指摘した。
 ▼雨の降り方は、局地的で強くなる傾向にあり、楽観視していると痛い目に遭う。国土交通省は、「逃げ遅れゼロ」の実現を掲げ、住民一人一人のマイ・タイムライン(防災行動計画)づくりを勧めている。
 ▼手順は、まず居住地など身近な地域の水害リスクを市町村が公開するハザードマップで確認。次に風雨が強くなる前の準備、そして降雨などで発表される警戒レベルに応じた行動を考え、周囲の人と共有する。避難場所やルートなどを具体的にシミュレーションし、定期的に更新作業をすると、非常事態に遭遇してもスムーズな行動につながるという。
 ▼多少の時間と手間はかかるだろうが、「命」には代えられない。