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値段高めでも消費者の反応良好 利益上げる販売の工夫【8月2週号 鳥取県】

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 【鳥取支局】「ほかの人がやらないような販売方法で、いかに利益を上げるかを考えています」と話すのは、鳥取市用瀬町の池本芳朗〈いけもと・よしお〉さん(54)。現在は家族5人でナシ60アール、柿40アールのほか水稲、花き、野菜を合わせて40アール栽培。特に力を入れているのがナシだ。 池本さんは販売面でさまざまな工夫をしてきた。その一つは15年ほど前、まだ直売所では見られなかったナシの2個売りだ。当時の直売所では、いろいろな大きさのナシが1玉当たり約100円、5~6個入りで売られているのが普通だった。池本さんは3Lサイズ2個売りで350円、1玉当たり175円という直売所では高めの値段で販売。3Lサイズのナシは主に贈答品に用いられ、スーパーなどではめったに並ばないこともあって「飛ぶように売れた」という。二つ目の取り組みとして贈答品用の3キロ箱の導入。当時、5キロ、10キロ箱の販売はあったが、3キロ箱での販売はなかった。特注で出荷箱を作り販売したところ、読みが当たり1年間で400箱の売り上げがあった。三つ目の取り組みは、バラエティーパックの販売。鳥取県の代表的品種「二十世紀」と2008年に誕生した「新甘泉」の2品種で販売されている商品はあったが、3品種セットはなかった。そこで二十世紀より早い時期に出荷する「なつひめ」の収穫期をずらし、それら3種類を2個ずつ入れて6個セットで販売。6個2千円という価格でも消費者の反応は良く、結果として多くのナシが売れるようになった。

〈写真:これから収穫を迎えるナシを見回る池本さん〉