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収入保険・私の選択 つなぎ融資に助けられた【8月2週号 山形県】

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 【山形支局】「野菜にも補償があればいいのにと、以前から考えていた」と話すのは、米沢市上新田の我妻拓也さん(37)・飛鳥さん(37)夫妻。収入保険には2019年に加入した。12年に就農し、現在はスイカ3.5ヘクタール、寒中キャベツ1.4ヘクタール、グリーンアスパラガス36アールを栽培する。台風被害などの経験があった我妻さん夫妻は、農業セミナーで配布されたパンフレットを見て収入保険に興味を持った。NOSAIの事務所で説明を聞き、9割補償やつなぎ融資などに魅力を感じ、加入を決意。子育て世代で、従業員への給与支払いなど経営を維持する上でも、保険なしでは不安だったという。我妻さん方は昨年7月、長雨の影響で多くのスイカに実割れや病害が発生。収穫間際に売り物にならなくなり、収穫量は前年の4割を下回った。希望を与えたのが収入保険のつなぎ融資だった。8月末までの出荷伝票から減収金額と9月以降の見込金額を取りまとめてNOSAIへ提出し、9月中に支払いを受けることができた。引き続き従業員を雇用することができ、その後のキャベツ栽培や翌年のスイカの作付けにつながった。今年3月、青色申告決算書をもとに保険金を請求したところ、つなぎ融資算定時とほぼ同額の保険金が認定され、差額が追加支払いされた。NOSAIの担当者は「誤差が出なかったのは減収時点での正確な取りまとめのおかげ」と話す。今年、念願だった法人化を実現した。「安定経営の継続と、個人ブランドのスイカを確立し全国に広めたい」と夢を話す。

〈写真:「収入保険のおかげで農業を続けられた」と話す我妻さん夫妻〉