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週休2日・衛生管理徹底・作業しやすく 若者に選ばれる農業に【8月2週号 福井県】

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 【福井支局】小浜市尾崎の合同会社若狭こすもかんとりー(青ネギ11棟、キク39アール、白ネギ38アール)では、週休2日制を取り入れ、作業スペースを体の負担が少なくなるようにするなど、働きやすい環境づくりに努めている。同社の代表社員・辻直也さん(34)は2012年に父親と同じ農業の道に入り、15年に若狭こすもかんとりーを設立。小浜市と地元JAが実施していた自然光利用型の大型ハウス整備事業を利用し、青ネギの水耕栽培を始めた。「初めの1~2年は、日照時間や気候に合わせた生産サイクル構築のためのデータ収集が主で、収入にはあまり結びつかなかった。それでも、約2年のデータ収集のかいがあり、現在では生産サイクルが安定し、出荷の時期や収穫量を調整することが可能となった」と話す。定期的な休みを取らない経営スタイルを一新し、若い人が働きやすいよう、週休2日制を取り入れた。さらに、作業台や水耕棚を腰の高さに設置し、種播きから収穫まで社員の体の負担が少なくなるように工夫。防疫のための衛生管理を徹底し、ハウス内は土足厳禁のほか、作業前や播種後には必ず服を替え、2~3日に1回は次亜塩素酸で作業靴を除菌する。「農業は自然を相手にする仕事なので、時間が不規則で、体もしんどいなど今の若者には受け入れがたい部分が多い。若者の身近な就職口として認知され、就農しやすい環境づくりを続けていきたい」と辻さん。「今後、さらに若者の目を引くような作物を生産したいと考えている。いい意味で注目され、憧れられるような農家になりたい」と笑顔で話してくれた。

〈写真:体への負担が少なく作業できるようにした水耕栽培棚を説明する辻さん〉