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レモン長期出荷、売り上げ好調 国産需要が追い風に【8月2週号 香川県】

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 【香川支局】坂出市王越町の濵崎綱隆さん(41)は、就農直後の2015年、一年を通して収穫可能なレモン栽培に着手した。現在、祖父から3代続くミカン園地約1ヘクタールを管理する傍ら、約70アールでレモンを栽培。20年は売り上げの4分の1を占めるまでになり、経営の柱となりつつある。濵崎さんは「リスボン」「ビアフランカ」を中心とした3品種を、ミカン栽培のノウハウを生かして管理する。国産レモンは10月から3月にかけて多く出回るが、濵崎さんの園地では9月から翌年8月末まで収穫できた年もあり、オフシーズンの重要な収入源だ。昨年は5トンを収穫し、今年も同量を見込む。収入を安定させるため、自分で値段を決められる産直に出荷する。「国産レモンの需要の高まりもあり、地道に出荷し続けるうちに売り上げが伸びました」。濵崎さんの経営についてJA香川県坂出みかん共撰場の峯尾明宏所長は「多品種のかんきつ類の生産で、年間を通して安定した経営を実現させています。レモンにいち早く取り組み、若手農業者の中でも特に産地振興に寄与する存在です」と評価する。栽培管理では、特にかいよう病の発生防止に気を配るという。原因となる風雨の影響を抑えるため、園地の周りに防風林を植樹し、防除回数を減らした。樹齢の若い木が多く、収量の増加が年々見込める状況にある。濵崎さんは「これからさらに販路を拡大していくことが当面の目標です」と意気込む。

〈写真:「太陽の下、健康的に仕事ができていいです」と木の様子を確認する濵崎さん〉