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播種前灌水、簡単に張れる遮光幕 夏作ホウレンソウ増産【8月1週号 岩手県】

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 【岩手支局】久慈市侍浜町でホウレンソウ(ハウス22棟)を栽培する船渡憲一さん(53)は、播種前の灌水やスライド式遮光幕の設置で作業負担を軽減し、高温になる夏場でも出荷数の増加を目指している。「播種前に灌水する。生育に必要な量の水分を補う大切な作業」と船渡さん。ハウスの入り口と畝の両脇に幅40センチほどの溝を作り、播種の前日、散水機で深さ30センチに漬かる程度に灌水する。播種後の水やりの手間が省け、散水機の使用で均一に散水され、生育にばらつきがなくなるという。また、圃場が軟らかくなるため、手作業の収穫が楽になり作業効率が上がる。ホウレンソウは高温に弱く、夏場の日差しを避けるため自作のスライド式遮光幕をハウス内に設置した。「ハウス内の温度を20度に保つように管理する。ひもを引くだけで張ることができる仕組みで、力が要らないので簡単に作業できる」と船渡さん。「8~9月は販売単価が高い。今年はさらに出荷数を増やしたい」と意気込む。

〈写真:遮光幕を操作する船渡さん。「畝を高くすることで雨による根腐れ被害はほとんど受けない」〉