ヘッドライン一覧 購読申込&お問い合わせ 農業共済新聞とは? 情報提供&ご意見・ご感想 コラム防風林

ICTで遠隔監視、時短+コスト削減【7月2週号 富山県】

210707_4.jpg

 【富山支局】「スマート農業のモデル地区を目指して、省力化と農機具の近代化に力を入れている」と話すのは、南砺市の小坂営農組合の常本孝悦さん(70)。米の生産を主体とする同組合は、情報通信技術(ICT)を活用した水稲栽培の実証実験に、「となみ衛星通信テレビ株式会社(TST)」と「株式会社farmo」と共同で取り組む。タブレット端末による育苗ハウスのモニタリングと水田の水管理省力化事業を2018年にスタート。育苗ハウスには温度と湿度、地中温度を測定できるセンサーを設置。タブレット端末でハウス内の状況がリアルタイムに確認できる。水田管理の省力化事業は、試験圃場内に水位センサーと水口に水門の役割となる給水ゲートを設置し、現地に行かずに水位の確認と給水ゲートの開閉の調整をできるようにした。スマート農業プロジェクトを支援するTSTの浅谷一寛さんは「いずれも省電力で広域の無線通信が可能な『LPWA』で通信をして、安価で見やすいアプリで提供することで実現できた。その結果、管理にかかる時間の大幅な短縮とコスト削減につながった。現在は、タブレットだけではなく、テレビでも育苗ハウスの温度や圃場の水位の確認ができるように取り組んでいる」と話す。

〈写真:試験圃場で。手前から常本さん、小坂営農組合サイバー担当の北村孝志さん、TSTの浅谷さん〉