濃厚飼料原料の国際価格高騰が続く中、水田転作として子実用トウモロコシへの期待が高まっている。2020年の作付面積は約690ヘクタールと5年間で4倍に増えた。10アール当たり労働時間は主食用米の5%程度の1.2時間と短く、耕種側には規模拡大によって小麦・大豆以上の時間当たり所得確保が見込める。また、栽培で堆肥を10アール当たり3~5トン施用するため、畜産側の家畜ふん処理の課題にも対応できる。農林水産省は実証事業など子実用トウモロコシの普及を支援しており、栽培体系確立や販路・流通手段の確保などが現場で模索されている。
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〈グラフ:国産子実用トウモロコシの生産状況(農林水産省飼料課調べ)〉