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防風林「できることは早く実現を 農作業中の事故防止対策【2021年7月1週号】」

 ▼あおり運転の問題を機に、自動車のドライブレコーダー売り上げが急増し、現在の普及率は4~5割とみられている。テレビのニュースでは、暴走や逆走、道路上の迷惑行為などドライブレコーダーの映像が頻繁に使われるようになった。プライバシーの問題があるとしても、映像が交通違反や迷惑行為の抑止など安全性向上につながるものと期待している。
 ▼自動車では、義務化されたシートベルトのほか、エアバッグや衝突軽減ブレーキなどの装備も普及が進む。2020年の交通事故死者数は2839人で、4年連続で戦後最少を更新し、初めて3千人を下回った。安全装備だけの成果ではないだろうが、死亡事故減少に確かに貢献している。
 ▼農業分野は、農作業中の死亡事故が毎年300件前後で推移し、9割弱を65 歳以上層が占める。就業人口10万人当たりの死亡率は建設業の3倍近く、減少の兆しはない。
 ▼農林水産省は、シートベルト非着用時の警報装置義務化など農作業環境の安全対策強化を打ち出している。既にある技術の応用だ。1人でも死亡事故を減らせるよう、早期の実現を望む。