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地域資源生かした野菜栽培 カツオ堆肥も有効【6月4週号 高知県】

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 【高知支局】中土佐町の中里拓也さん(48)は妻の早紀子さん(39)と、1ヘクタールほどの面積で年間約50種類の露地野菜の栽培や地鶏「土佐ジロー」の飼育に取り組む。就農当初から農薬は使用していない。有機肥料として、緑肥や牛ふん堆肥のほか、カツオが有名な同町ならではの自家製カツオ堆肥を使用して栽培する。カツオ堆肥は、町の鮮魚店のほか、毎年5月ごろに開催される「かつお祭り」で出たアラを譲り受け、わらや米ぬかと一緒にかき混ぜながら発酵させて作る。「豊富な養分を含んでいるので野菜の生育によく効く。アラは鮮魚店にとって産業廃棄物にあたるものなので、双方に有意義な活用法です。今は生産量が少ないですが、もう少し増やしていきたい」と拓也さん。野菜はレストランやオーガニック専門店などへの販売もあるが、メインはネットでの個人販売。さまざまな世帯に合わせてセット商品のバリエーションに幅を持たせており、コロナ禍でのステイホームの影響から売り上げは好調だという。

〈写真:モロッコインゲンの圃場で「畑体験や収穫した作物で料理を楽しめるような、人が集える農園を目指したい」と拓也さん〉