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水田にソーラーパネル650枚 水稲の収量確保、売電収入に手応え【6月1週号 山形県】

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 【山形支局】「この先も栽培管理が継続できる規模と十分な収入が得られる農業の形がソーラーシェアリングだった」と話すのは、農業と「みつばち発電所」を営む米沢市窪田町の木村成一さん(63)。2018年秋、水稲の圃場にソーラーパネル約650枚、設置面積3800平方メートルの太陽光発電施設を建設し、翌年からソーラーパネルの下で水稲を栽培する。発電施設は、縦4メートル、横5メートルの間隔で支柱190本を立て、高さ3メートルの位置に一般的なソーラーパネルを設置。発電量は年間20万キロワットで、東北電力株式会社へ売電し、再生可能エネルギー電力を販売する「みんな電力株式会社」から契約者へ送電される。発電施設には、パネルの角度を調整する手動ウインチを3カ所に設置。一度に約220枚のパネルを動かすことができ、稲の生育中は日光が十分当たるようにパネルを立てる。どうしても日陰になる部分があるため生育は緩やかで、落水後の圃場が渇きにくい。その対策として、品種を「はえぬき」に変え、圃場の溝切りを丁寧に行うことで、昨年は9月末に稲刈りが終わり、収量を確保できた。

〈写真:太陽光発電と稲作をシェアする新しい農業に取り組む木村さん〉