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防風林「試練を超えて持続可能な社会へ【2021年4月2週号】」

 ▼新型コロナ下で迎える2度目の新年度。緊急事態宣言の解除で、新たな気持ちになれるかと若干の期待もしたが、大阪、兵庫、宮城の3府県に「まん延防止等措置」が適用され、収束は見通せないままだ。変異ウイルスの感染拡大やワクチン接種の遅れなど不安要素も多い。
 ▼コロナ禍で人の移動が激減し、2020年の人為的な温室効果ガス排出量は減少したとの報道もあった。しかし気象庁は、主な温室効果ガスの二酸化炭素について、20年の日本付近の大気中濃度が過去最高を更新したと発表した。排出量の減少は観測データに表れない変動の範囲内との説明だ。
 ▼気象庁は、気象などの評価に使う平年値の更新(5月19日から)も発表した。平年値は、30年間の平均値で、今回、20年まで10年間の観測値を加えた結果、年平均気温は0.1~0.5度上がり、降水量は多くの地点で10%程度増えたという。
 ▼人類は、これまで経験のない大きな変化の中にいる。克服して持続的な社会が創れるかと、試されているようだ。