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防風林「煮物の継承は地域と家庭の役割【2021年4月1週号】」

 ▼外国の方に紹介したい「和食文化」のトップに「すし」が挙がる一方、好きな和食では「煮物」がすしを抑えてトップになった。農林水産省が3月24日に公表した「和食文化のさらなる価値創造に向けて」と題する有識者会議の提言に添付された実態調査の結果だ。
 ▼提言は、世界に誇れる伝統文化であり、健康にも有用な和食の価値に対する認識を内外に広げ、次世代への継承を図るとともに、輸出も含めた国産食材の需要喚起を促すものだ。同省は、具体的な振興施策として、食文化関係者のネットワーク構築や郷土料理などの普及活動支援、健康有用性の根拠や簡便なレシピの発信、海外での食文化普及活動支援などを示した。
 ▼和食は「健康によい」「栄養バランスがよい」など肯定的な評価が多い反面、「調理が難しい」「手間がかかる」点が課題とされる。若年層ほど簡便・手軽志向が強いとされ、教育現場や子育て世代に対する働きかけが重要だ。
 ▼すしと言えば大半の人はにぎりやちらしをイメージするだろう。一方の煮物は、地域や家庭で食材や味付けが異なる。次世代でも好きな和食のトップ確保へ、地域や家庭での継承活動に期待したい。