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防風林「地方議会と住民との距離を近く【2021年3月4週号】」

 ▼国内の人口減少と高齢化が進む中、地域住民の暮らしや仕事と深く関わる地方議会議員のなり手不足が深刻化している。小規模市町村では定員割れも発生し、地域の課題に対応した合意形成など地方自治の機能不全を懸念する声もある。
 ▼総務省の研究会が昨年9月にまとめた報告書では、なり手不足の要因に、給与所得者が立候補しにくい環境や議員活動に要する時間的な負担、生計維持が困難な議員報酬水準などの問題を挙げた。また、議会や議員の活動が住民に十分伝わっておらず、性別や年齢の偏りがあることも指摘。多様な住民が議会に参画したくなる環境整備の必要性を強調した。
 ▼思い起こせば、子育ての時期に保育や学校給食の関係で父母仲間と市役所への要請を行った経験がある。ただ、仕事も忙しい時期であったため、議会や議員に訴えるなど深く関わることはしなかった。
 ▼地域で暮らしていれば、何らかの課題や不満を抱える人は必ずいる。議会運営や議員活動の負担軽減など参画しやすい環境を整備すれば、多様な人材が議会に出るきっかけとなるだろう。