【滋賀支局】日野町奥之池地区の「奥之池獣害対策(構成員7人)」では、非農家中心の獣害対策に取り組み、モンキードッグの導入でサルの被害がなくなった。リーダーの小森慶一さん(70)は「獣害対策は農家だけの問題ではない。住みやすい環境づくりのため、農家・非農家関係なく集落全体で行わなければ意味がない」と指摘する。同地区はサル、シカ、イノシシの被害があり、防護柵の設置や追い払い、畑の四方と天井を囲うなどの対策を講じてきたが、サルの侵入は減らず、2010年には被害額が115万円を超えた。そこで、大規模緩衝地帯(バッファーゾーン)の整備、不要果樹の伐採などを徹底し、最後の手段としてモンキードッグの導入を決めた。サルが出没すると犬を先頭に追い払い、同行者が多いほど効果が大きい。モンキードッグの「はな(雌、10歳)」は、県動物保護センターから生後4カ月のときに譲り受け、小森さんが飼育。「集落の犬」と位置付け、餌代などは集落が負担し、小森さんが不在のときはほかの構成員が犬と出動する体制を取る。
〈写真:「獣害対策は足し算。複数の対策を行った結果です」と小森さん〉