【広島支局】三原市の佐木島で、観光資材開発と持続可能な活性化を図ることを目的に活動する任意団体「鷺島みかんじまプロジェクト(松岡さくら代表)」では、商品開発や耕作放棄地を活用する事業の一つとして、昨年4月、「羊プロジェクト」を始めた。ヒツジは25アールの農地で雌2頭を飼育する。プロジェクトメンバーの堀本隆文さん(69)は「ヒツジを迎えるために耕作放棄地を開墾した。作業は大変だったが、地域の役に立ってくれればうれしい」と話す。試験的にミカン畑に放牧すると、1日で約46リットルのコンテナ2個分以上の草を食べた。松岡代表は「しっかり食べてくれるので、生産者の負担を軽減できる」と手応えを感じている。佐木島では、60年前まで各家庭でヒツジを飼育し、羊毛を毛糸にしてセーターなどを作っていた。同メンバーの白須一公さん(69)は「ヒツジに触れるのは懐かしい」と話す。2月には、羊毛でミニヒツジの人形を作るイベントをオンラインで開催。新型コロナが収束すればヒツジと触れ合う体験イベントを行う予定だ。
〈写真:「近くにレモン畑があり、そこで放牧してレモンを作りたい」と白須さん(左)と堀本さん〉