▼昨年12月以降の大雪で、日本海側を中心とした広い範囲に甚大な被害が出ている。農林水産省によると、1月28日現在の農業関係被害額は26道府県で75億円を超えた。そのうち60億円超が農業用ハウスの倒壊などの被害で、件数は約1万1千件に上る。
▼福井県の施設園芸農家は、1月8日からの大雪被害をぎりぎり回避した経緯をブログにつづっている。それによると、予報をみて8日の夜からハウスの見回りや雪かきを開始。9~12 日は農作業をやめ、スタッフ全員で雪かきに集中した。一時は数棟をあきらめる覚悟をしたという。
▼実は、2018年の豪雪で被害を受けた経験から、事前準備をしていた。天気図など気象データの読み方を勉強し、建て替えたハウスは剛性の高い構造にした。前回は故障などで機能しなかった融雪装置は事前に点検と修理をすませている。さらに海外からの研修生には、動画をみせて雪かきの方法などを教えていたそうだ。
▼紙一重だったとはいえ、「備え」の積み重ねが功を奏したのだろう。ただ、過去には2月の豪雪被害も多い。園芸施設農家の方々には、あと少しの間、警戒を続けてほしい。