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防風林「「分断」の根深さ【2021年1月3週号】」

 ▼トランプ米大統領の扇動による連邦議会議事堂の襲撃問題は、米史上初の2度目の弾劾訴追を招くなど、任期間際まで選挙後の騒動が続いている。熱狂的な支持者の映像を見て、新大統領就任で落ち着くと見通せないほどの「分断」の根深さを感じた。
 ▼分断の背景には、グローバル化の進展と格差拡大がある。米国は、1%の富裕層が国の富の半分近くを保有する一方、中低所得者層の割合が拡大しているという。米国第一を掲げて、国際協調よりも自国の利益と雇用確保を訴える人に期待するのは当然か。
 ▼格差拡大は、他の欧米諸国や日本も同様だ。とすると自国第一を掲げるリーダーが続々と登場する状況にも納得がいく。それがよいこととは到底考えられないのだが。
 ▼コロナ禍を機に発生した国際的な物流の停滞を受け、グローバル化を見直す機運がある。不測の事態に備え、一定の国内需要を満たす生産確保が重要との考えからだ。食料生産の確保も外せない。政府が、農地の維持と担い手の確保に本腰を入れれば、自給率向上に加え、地方での雇用確保は決して困難な課題ではない。