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経営の維持・発展を収入保険が後押し(8~9面・農業保険)【2021年1月1週号】

 農業者の努力では避けられない要因による収入減少を補償する収入保険。新型コロナウイルス感染拡大や自然災害が発生する状況でも、チャレンジする農業者の経営をしっかりと支え、取り組みを応援している。京都府でブランド確立や若手育成に取り組む株式会社農夢と、青森県で中山間地振興に挑戦する有限会社石田・農園の事例を取り上げる。

(8~9面・農業保険)

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京野菜栽培農家を育成 ブランド継承に若者雇用 ―― 株式会社農夢(京都府綾部市)

210106_5_1.jpg 「収入保険で安心して農業に取り組める。新型コロナウイルスの影響による収入の減り方は普通でなく、つなぎ融資をすぐに受け取れてありがたかった」と話すのは、京都府綾部市位田町でミズナ約3ヘクタールを生産する株式会社農夢の白波瀬〈しらはせ〉清孝代表(61)。全国のスーパーやレストランに通年で販売し、京野菜綾部ブランドの確立を図るほか、次代の生産者を育成しようと、若手従業員を積極的に雇用し、産地発展に挑戦する。2019年末からの暖冬や新型コロナウイルスの影響などにより、収入が大幅に減少した農夢だが、昨年5月に収入保険のつなぎ融資を受けて、経営を持続。産地振興に取り組む経営者を後押ししている。

〈写真:「生でもおいしく食べられることをPRしたい」と白波瀬代表〉


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雪国の中山間地振興へ 運送事業展開し人材確保 ―― 有限会社石田・農園(青森県黒石市)

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 「従業員を守るためにも収入保険加入は必要だ。近年は野菜の価格も低下し、2020年は予想できないコロナの被害もあった」と話すのは、青森県黒石市あけぼの町でホウレンソウやニンジンなど約16ヘクタールを栽培する有限会社石田・農園の石田定伊〈さだよし〉代表(59)。運送や雪おろしにも事業として取り組み、中山間地で若者の通年雇用を実現。20年度は新型コロナウイルスの影響による労働力不足などで、既に1千万円以上の収入減少となる中、収入保険のつなぎ融資を受け取り、地域農業の中核を担う経営を継続している。

〈写真:実習生に指導する石田代表(右)〉