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防風林「ウイルスとの攻防は続く【2020年12月3週号】」

 ▼高病原性鳥インフルエンザの発生は、11日現在で9県22事例に拡大し、全国緊急消毒など対策強化に取り組む事態となった。養鶏の1戸当たり飼養羽数は万単位で、発生時の経営への打撃は大きい。農場と周辺地域、作業者などの衛生管理に関係者が連携し、万全の対応を図ってほしい。
 ▼一方、厚生労働省による季節性インフルエンザ報告数は6日までに63件で、昨年同期比で約750分の1に激減した。新型コロナウイルス感染防止対策によるマスク着用やうがい手洗いが功を奏したとみられている。日本では、インフルエンザが要因とされる死者数は、毎年1万人前後いる。この傾向が続けば、今季はかなり減りそうだ。
 ▼この1年は、新型コロナ対策として、外出自粛やテレワークの励行、大人数の集会などの延期、中止が相次いだ。ようやくワクチン実用化にめどがつき、海外では接種も始まった。感染終息に弾みがつくよう期待したい。
 ▼人類とウイルスは有史以前から攻防を続けてきた。克服は困難でも、医学の力で重症者や死者を出さない対策の早期確立を望みたい。