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防風林「性急さが目立つ菅政権【2020年10月2週号】」

 ▼菅首相は7日、規制改革推進会議を開き、「行政の縦割り、既得権益、悪しき前例主義を打ち破って、規制改革を全力で進める」と決意を述べた。その言葉通り、行政手続きの「脱はんこ」、新会員の任命拒否を発端に日本学術会議の在り方検討などに矛先を向けている。
 ▼就任直後にもデジタル庁の設置や不妊治療の保険適用などを打ち出した。安倍前首相の退陣を受け、その継承を強調したが、官房長官を長く務める中で温めていた考えがあるのではないか。先頭に立つ河野行革担当相も「やるべきことをやる」「聖域なく、例外なく見る」と強気だ。
 ▼首相は、野上農相に農林水産物・食品の輸出拡大と農林水産業の生産基盤強化を指示するなど、農林水産分野の改革も促す。特に輸出額は、昨年実績の約1兆円を2030年に5兆円とする目標達成に向け、年末までの具体的戦略策定を求めている。
 ▼農林漁業者に利益となる改革なら、大いに進めてもらいたい。ただ、輸出額目標達成ありきの戦略策定は、どこかに無理を強いないか。強気一辺倒の姿勢に不安も感じている。