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直売・6次化農業者に推奨 調理加工用米「越南300号」【10月2週号 福井県】

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 【福井支局】県農業試験場は、調理加工用米「越南300号」を育成した。リゾットやパエリアに適し、アルデンテという歯応えが残る食感が特徴だ。越南300号は、インド型のでんぷんを持つ米麺用の「越のかおり」と、あっさりとした食味で日本型のでんぷんを持つ「あきさかり」(県農業試験場開発)を交配。10年の歳月をかけ、インドと日本両方のでんぷんの性質を持つものが選び出された。県内のシェフからは「煮崩れしにくく、アルデンテの状態を長く保つ」と評価を受けている。また、リゾットの代表的な品種であるイタリアの「カルナローリ」、パエリアはスペインの「バレンシア米」と比較すると、越南300号は日本人が親しみやすい味に仕上がるという。越南300号は、あきさかりの性質を受け継ぎ、稈長が短く倒れにくい。10アール当たりの収量は約620キロと多収。葉いもち病に対してはやや弱く、適期防除が必要だ。直売ルートのある農業者や6次産業化に取り組む農業者が生産に向いている。

〈写真:「越南300号はもみの先端に茶色の点があります」と開発者の福井米研究部育種研究グループ主任研究員・農学博士の小林麻子さん〉