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防風林「子どもの幸福度 物心両面のバランスがとれてこそ【2020年9月2週号】」

 ▼国連児童基金(ユニセフ)が先進国の子どもの幸福度ランキングを発表した。経済協力開発機構(OECD)に加盟する38カ国のうち、総合順位は20位と中位にある。しかし、比較した3分野中2分野の結果は、身体的健康が1位、精神的幸福度が37位と両極端だ。
 ▼身体的健康は、低い乳幼児死亡率などの反映で、国を挙げた努力の成果だ。一方、精神的幸福度は、15歳時点の生活満足度や15~19歳の自殺率などを順位づけた。生活満足度の高い子どもの割合は、1位のオランダの89.8%に対して日本は62.2%、自殺率は1位のギリシャの1.4%に対し7.5%と差が大きい。背景にはいじめなどの問題があるという。
 ▼今回の幸福度調査は、新型コロナウイルス発生前のデータに基づく。このため報告書は、パンデミック(世界的大流行)の中、各国政府が一致して子どもの幸福度を守る行動をとらなければ「家族や社会への影響はさらに悪化し、破壊的なものになる」と警告する。
 ▼コロナ禍克服の対応を含め、今からでも最善を尽くすことはできるはず。次代を担う子どもの幸福度向上に、何よりも優先して取り組むときだ。