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ナス栽培に土着天敵タバコカスミカメ 「ゴマまわし」で周年利用 ―― 徳島県立農林水産総合技術支援センター(7面・営農技術)【2020年9月1週号】

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 ナスの周年栽培に向けて、西南暖地に多く生息する土着天敵タバコカスミカメを使いミナミキイロアザミウマの被害を抑えるIPM(総合的病害虫・雑草管理)技術「ゴマまわし」を徳島県立農林水産総合技術支援センターが開発した。ゴマを好み、増殖するタバコカスミカメを温存しながら露地と農業用ハウスを行き来させる。導入コストは、取り組み当初の種子代程度で済む。殺虫剤の使用量と暴露を減らして、農業者の経済・身体両面での負担軽減につなげられる。想定する規模は露地、施設とも10~20アール。同センターの中野昭雄農業革新支援専門員は、「害虫の薬剤抵抗性を心配せず、安価にミナミキイロアザミウマに対処できる。温存植物を維持する施設の確保も必要ない」と利点を説明する。

(7面・営農技術)

〈写真:阿波市阿波町の伊月彰人さん(左)は、基本に忠実にナスの畝の端、支柱のそばにゴマを植えている。「食害された形跡もなく、生育は順調」と中野さんに話す〉