▼地方では、都市部に先駆けて人口減少と少子高齢化が進む。そうした地域の活力維持と向上を図る新たな要素として、地域外に居住する人が、特定の地域と継続的に関わりを持ち、地域活動などを支える「関係人口」が注目されている。ざっくり整理すると「観光以上、定住未満」の人たちだ。
▼三大都市圏の居住者を調査した国土交通省の推計では、継続的に訪問する地域がある関係人口は全体の23.2%で、帰省など訪問先がある地縁・血縁的な関係者の16.5%よりも多い。訪問目的は、ボランティアや副業、農業体験、交流イベントへの参加など多様だ。
▼一方、都市圏居住者の6割は特定の地域との関わりを持たない人が占める。継続的に通う地域がある関係人口の多くは、親族や知人、友人との関係を訪問のきっかけと回答する。地域の関係者の存在が、関係人口を増やす布石として重要だ。
▼就職などで地元を離れる人も、祭や行事に合わせた帰省や農繁期などの手伝いで行き来する例は多い。ただ、子世代、孫世代となるに従い疎遠になる。地元出身者の子や孫に情報を発信する地域も出てきた。地域の応援団になってもらおう。