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防風林「地域の宝を探そう【2020年6月2週号】」

 ▼江戸東京野菜やなにわの伝統野菜など、地域に伝わってきた在来野菜を掘り起こし、新たな特産品に育てる取り組みが各地に広がっている。認証数は、全国28地域で約700品目との報告もある。
 ▼戦後の高度成長期は、大量生産・大量流通の波に飲まれ、野菜も統一規格に合う品種が重宝され、そろいが悪く、育てにくい在来品種は表舞台から姿を消した。現在まで伝わったのは、味の良さなどで自家用に残してきた農家がいたためだ。
 ▼地方に出向く際は、時間があれば直売所に立ち寄るようにしている。地域ならではの農作物や加工食品を求めるのだ。くせが強い漬物などもあるが、ほかの地域にはない食材との出合いが楽しい。
 ▼収穫物や加工品の販売だけではない。栽培や収穫を楽しむツアーや、料理人と組んで新たなレシピづくりなど多様な展開も生まれている。地域に伝わってきた伝統野菜は、地域の未来を開く新たな財産にもなる。関心を持って地域を探せば、さらに見つかる可能性はある。