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防風林「農業集落に受け継がれてきたもの【2020年5月4週号】」

 ▼農林水産省が設置した、新しい農村政策の在り方検討会の協議が始まった。都市部に先駆けて少子高齢化と人口減少が進む農村の振興に向け、関係府省と都道府県・市町村、事業者の連携・協働を図る「地域政策の総合化」などの具体策を検討する。
 ▼初会合では、農村をめぐる事情について、1農業集落当たりの農家の割合は、2015年で7.5%などと説明があった。農業集落に占める農家の割合は、1960年には60.9%と過半だった。しかし、70年には45.7%と半数割れし、2000年には10.7%と減り続けている。
 ▼農業集落は、農業上形成されている地域社会とされる。地縁や血縁で結びついた社会生活の単位で、農地や用排水路の保全活動、祭や芸能を催す際の単位とも言える。
 ▼混住化の進展は周知のことだが、100戸の集落で農家は8戸に満たない計算だ。今年実施されている農林業センサスで、農家の割合がどの程度になるのかと怖くなる。
 ▼集落活動は、祭や芸能を含め地域農業と密接に関わって実施されてきた。農家がいない農業集落で、祭や芸能の成り立ちや意味を継承できるだろうか。