▼大型連休は、田植えの最盛期でもある。機械化は進んでいるが、例年なら、帰省して作業を手伝う若者などの姿を見かける時期だ。孫を連れて帰る人も多いはず。しかし、今年は新型コロナウイルスの感染防止対策で帰省も自粛が求められている。自粛を要請する文書を配る県や市町村もあるという。
▼政府の専門家会議は、短期間で感染を減らすため、帰省や飲み会はオンラインでと呼びかける。仕方がないと頭では理解するが、パソコンやスマートフォン越しでの家族や友人との会話は、味気ないと感じる。顔が見えるだけ電話より技術は進歩したのだろうが、触れることができないのはやはり寂しい。
▼以前の農村では、田植えや稲刈りなど農繁期には、親戚なども集まって大人数で作業した。手伝い半分、遊び半分で子どもたちも参加し、休憩や昼食時には、近況を語り合うなどにぎやかに過ごした。
▼感染抑制が実現し、緊急事態宣言が解消されても、当面は宴会などはもっての外、顔を近寄せての会話も敬遠されるだろう。国民生活に大きな影響を及ぼすのは確かだ。