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防風林「新型肺炎 ― 落ち着いて対応することを第1に【2020年2月3週号】」

 ▼薬局やドラッグストアで、マスクが買えない状況がまだ続いている。入荷が少量ですぐに売り切れるため、タイミングを外すと空振りが続く。スギ花粉の飛散も始まると焦り始めたころに近所のスーパーで見つけ、十数枚購入できた。増産を促しているから、使い切るまでに品薄も解消されることを期待しよう。
 ▼新型コロナウイルスによる感染症は、中国への渡航歴がない人にも確認され始めている。政府は、水際対策の強化と国内のまん延防止対策を合わせた緊急対応策をまとめ、総額153億円の予算を措置した。旅行客が激減し、深刻な影響が出ている観光事業者などへの支援も盛り込んでいる。
 ▼今後は自治体と連携して検査や治療、相談などの体制整備と充実化を急ぐ方針だ。私たちが日常でできるのは、うがいと手洗いを励行し、外出など多くの人と接触する際に、マスクの着用を含む「せきエチケット」を実践することに尽きる。
 ▼ただ、テレビに出た医師が「マスクで感染は防げない」と指摘したのに驚いた。ウイルスは細菌より小さく、マスクをすり抜ける。鼻の周囲を含め、顔にぴったりさせないと隙間から容易に侵入するとの理由から、着けないよりはまし程度に考えた方がいいらしい。
 ▼それならマスク不足を騒いでも何にもならないと思うが、手に入らなければ不安が増すのも人の感情だ。感染者の増加も懸念される中、国民が冷静に対応できるよう安心への配慮は欠かせない。