イグサ栽培の国内北限地である石川県小松市で、550年ほどの歴史を持つ「小松イ草」を1軒の農家が守り続けている。同市白江町で水稲19ヘクタールを軸に経営する宮本農産(宮本隆史代表、60歳)では後継者の健一さん(31)が、イグサ「ひのはるか」を60アールで栽培する。主産地の九州地方とは異なり、冬場に雪の下で育つ地理条件が特徴の一つで、畳表の製造までを行う。地域の商工業者と立ち上げた「小松イ草拡大プロジェクト」では、特に若い世代に向けてイグサの魅力を発信。「小松の伝統を守ることが宮本家の使命」との思いを胸に、年間2千畳分のイグサと向き合う。
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〈写真:母の浩子さんは「家族で協力してこれからも頑張ろう」と健一さんにエールを送る〉